
被差別の食卓(新潮新書)
上原 善広
新潮社 / 2005-06-20
累計読者数3
平均ハイライト数 15件/人
推定読了時間 約3時間1分
star総合評価 55/100
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この本について
ときどき、自分の「当たり前」がどれだけ限定された景色の上にあるのか不安になることがあります。ニュースで“差別”と聞いてもどこか遠く感じてしまう一方で、自分の中にも偏見らしきものがある気がして落ち着かない。でも何をどう学べばいいのか、具体的な像がつかめないまま日々が過ぎる……そんなモヤモヤは、わたし自身ずっと抱えてきました。 『被差別の食卓』は、その曖昧な違和感に輪郭を与えてくれた本でした。刺激的なのは、差別が抽象論ではなく「食べ物」「台所」「腐りかけの肉を煮込む工夫」といった生活のディテールとして現れてくるところです。例えばロマの“穢れ”観や、被差別部落の祖父が腐肉を工夫して食べていた描写は、差別が単なる歴史用語ではなく、生き延びるための知恵や誇りと結びついていたことを実感させます。また、戦争や災害の混乱期に差別が増幅する話は、自分が見えていなかった構造の癖を静かに突いてきます。 遠くの社会問題を学ぶというより、自分の日常の感覚が少しずつ変わっていく本です。こんな人に刺さると思います。世界の複雑さを“わかったつもり”でいたくない人。読み終えると、他者を見るときの解像度が少しだけ上がっているはずです。
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出版社による紹介
大阪のある被差別部落では、そこでしか食べられない料理がある。あぶらかす、さいぼし……。一般地区の人々が見向きもしない余り物を食べやすいように工夫した独自の食文化である。その“むら”で生まれ育った著者は、やがて世界各地にある被差別の民が作り上げた食を味わうための旅に出た。フライドチキン、フェジョアーダ、ハリネズミ料理――。単に「おいしい」だけではすまされない“魂の料理”がそこにあった。
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