
武士道セブンティーン (文春文庫)
誉田 哲也
文藝春秋 / 2011-02-10
この本について
仕事でも人間関係でも、こちらが丁寧に向き合っているつもりでも、相手の理屈がぐちゃぐちゃで「なんでこうなるんだ…」と疲れることってありますよね。論理が通っていない状況に巻き込まれると、自分の判断まで揺れてくるし、どこで踏ん張ればいいのか分からなくなる。でも現実って、そういう“分かりづらい論理”に振り回されがちです。 『武士道セブンティーン』を読んでいて印象的だったのは、「正しい論理は、誰でもすっと納得できるものだ」という言葉が、剣道の話を超えてこちらの日常にそのまま刺さってくるところでした。さらに、勝ち負けより“戦いをどう収めるか”を重んじる姿勢が、焦りや衝突の多い毎日のなかで、立ち止まる基準をくれます。相手を倒すことが目的じゃなくて、関係をどう終わらせるか、どう着地させるかを考える視点は、仕事の場面でもそのまま使えるなと感じました。 そしてもうひとつ大きかったのは、「武士道があるから剣道は暴力に堕ちない」という話。これって、私たちが仕事のスキルや成果だけを追いかけるときに、どこで自分を保つかという問題とすごく似ています。効率や結果だけにいくと、いつの間にか心が削れていく。でも、どんな場面でも自分の“筋”を忘れないことで、やっと技が技として立ち上がる。そんな当たり前を思い出させてくれました。 競争や成果に追われて、「ほんとは何を大事にすべきなんだっけ」と迷う人に刺さる一冊だと思います。剣道の物語だけれど、読んでいるうちに、自分の立ち方の話として返ってくる不思議な本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの26%が集中しています。
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