
出家とその弟子
倉田 百三
新潮社 / 1967
累計読者数4
平均ハイライト数 1.5件/人
推定読了時間 約4時間30分
star総合評価 37/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 50%
この本について
最近、理不尽なことが続いたり、努力したつもりなのに報われない感じがして、どこに気持ちを置けばいいのか分からなくなるときがあります。自分のせいじゃないと思いたい反面、誰かや何かを恨みたくなる瞬間もあって、そんな自分にまた落ち込んだりしてしまう。たぶんあの抜粋を保存した方も、同じような場所に立っているのだと思いました。 『出家とその弟子』が効いてくるのは、そういう「どうしようもなさ」の中にあるときです。たとえば、理由の分からない苦しさにぶつかったときに、すぐ結論を求めず、一度こらえてみるという視点をくれます。悟れと言うわけではなく、ただ、その忍耐の中から静かに立ち上がってくる感情がある、と教えてくれる感じです。また、人はみんな死を遠ざけて考えがちだけれど、本当は恐れているし、わかってもいる。その弱さをそのまま認めてもいいんだと、登場人物の会話が自然に示してくれます。さらに、個人ではどうにもならない「社会全体の意志」のような重さにも触れていて、自分だけが悪いわけでも正しいわけでもない、という距離の取り方も学べます。 背筋を伸ばすというより、胸の奥に溜め込んでいた重さが少し形を変える。そんな読後感のある本です。自分の弱さを急に変えようとは思えないけれど、そのまま抱えて歩きたい人に刺さると思います。
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出版社による紹介
恋愛と性欲、それらと宗教との相克の問題についての親鸞とその息子善鸞、弟子の唯円の葛藤を軸に、親鸞の法語集『歎異抄』の教えを戯曲化した宗教文学の名作。本書には、青年がどうしても通らなければならない青春の一時期におけるあるゆる問題が、渾然としたまま率直に示されており、発表後一世紀近くを経た今日でも、その衝撃力は失われず、読む者に熱烈な感動を与え続けている。
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