
「植物」という不思議な生き方
蓮実 香佑
PHP研究所 / 2012-10-19
この本について
日々の生活に追われていると、自分のペースがどこにあるのか分からなくなる瞬間があります。頑張っているはずなのに根が張れていない感覚というか、どこか落ち着かないまま動き続けてしまう感じです。そんなときに植物の話を読むと、「人間とまったく違う生き物」を通して、自分のことを少し外側から見られるようになるんですよね。 この本が面白いのは、植物の仕組みを淡々と説明しているようでいて、気づけば自分の生活と地続きの話になっているところです。たとえば、水が少ない環境でこそ根が伸びていくという話は、ただの比喩以上に「負荷がかかったときに何が育つのか」を静かに考えさせてくれます。発芽のタイミングをじっくり見極める雑草の種のように、条件が整ってもすぐ動かない選択肢だってあるんだと、妙に安心させられたりもします。そして、見た目は小さいのにアスファルトを突き破るほどのエネルギーで芽を出す瞬間の描写は、普段の自分がどれだけ表面だけを見て判断していたかを気づかせてくれます。 身近な存在なのに、実はほとんど理解していなかった植物の生き方を知ることで、自分の働き方や休むタイミングの感覚が少し調整されるような一冊でした。どこか焦りが続いている人に、しずかに効く本だと思います。こんな人には特に刺さるはずです。自分のペースをうまくつくれず、環境に振り回されているように感じやすい人。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの56%が集中しています。
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