
海豹と雲
北原 白秋
ゴマブックス株式会社 / 2016-10-15
累計読者数3
平均ハイライト数 4件/人
推定読了時間 約3時間14分
star総合評価 42/100
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この本について
ふだん、生きていてよく分からない重さに急にのみ込まれることがあって、理由もなく気持ちが沈んだり、逆にざわついたりしませんか。言葉にできないまま放置しているとき、何か別の視点がほしくなるけれど、説明くさい言葉にはあまり寄りかかりたくない、ということも多いと思います。 北原白秋の『海豹と雲』を読むと、そういう曖昧な感情を、無理に整理せずに抱えたまま眺められる余白が生まれます。読者が保存していた「蔽ひ」や「かいかがむ」のような、姿勢や影の動きを思わせる言葉は、気持ちが伏せていく瞬間をそのまま掬ってくれる感じがあって、自分の内側の気配と静かにつながるきっかけになります。「湯津真椿」や「荒魂」も、ただ難しい古語というより、日常では触れにくい芯の部分をやわらかく呼び起こす道標として機能してくれます。 つまりこの本は、解決策を示すというより、言葉の奥に潜む手触りを介して、自分の気分の輪郭をそっと照らすような存在です。気持ちの揺れをうまく言いあらわせなくて、でも放っておくのもしんどい、そんな人に刺さりやすい一冊だと思います。
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