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モオツァルト・無常という事(新潮文庫)

モオツァルト・無常という事(新潮文庫)

小林秀雄

新潮社 / 1961-05-15

累計読者数4
平均ハイライト数 12.8件/人
推定読了時間 約3時間13分
star総合評価 55/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 49%

この本について

仕事でも日常でも、言葉にしづらい「何か」にぶつかって、モヤモヤしたまま放置してしまう瞬間ってありませんか。うまく説明できないし、言葉にすれば嘘っぽくなる気がして、結局黙り込むしかない。あの居心地の悪さにずっと付き合っている人は多いと思います。 小林秀雄の『モオツァルト・無常という事』は、その黙り込みそのものを真正面から扱います。美は人を沈黙させる、という話が何度も出てきますが、これは「何も言えないほど感動した」という軽い話ではなく、言葉の外側にあるものとどう向き合うか、という実感に近い。作者が縄文土器を割ってしまった体験を延々と語るくだりも、一見ただの逸話に見えるのに、ものを見る態度が少しずつ揺さぶられていく感じがあるんです。伝統や天才を語る部分でも、「歴史的説明」ではなく、こちら側の視線の曖昧さを問い返されているようでした。 読みながら、自分が普段どれだけ“解釈”ばかりで世界を見ているかを突きつけられると同時に、言葉にできないものを無理に整えなくてもいいのかもしれない、と少し肩が落ちる。そんな読後感があります。 表現に向き合うときの落ち着かなさや、自分の感受性をどこに置けばいいのか迷っている人に刺さる本です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

小林批評美学の集大成であり、批評という形式にひそむあらゆる可能性を提示する「モオツァルト」、自らの宿命のかなしい主調音を奏でて近代日本の散文中最高の達成をなした戦時中の連作「無常という事」など6編、骨董という常にそれを玩弄するものを全人的に験さずにはおかない狂気と平常心の入りまじった世界の機微にふれた「真贋」など8編、ほか「蘇我馬子の墓」を収録する。
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