
悪韓論(新潮新書)
室谷 克実
新潮社 / 2013-04-20
この本について
日常的にニュースを見ていると、韓国との関係についてモヤッとすることがあるけれど、結局「何が背景にあるのか」が分からないまま流してしまう……そんな感覚を抱く人は少なくないと思います。相手の言動だけを切り取ると、こちらの理解が追いつかないこともありますよね。 今回の本を読んだ方が抜き出していた箇所を見ると、圧倒的な規模の特別赦免の話や、日本に向けた強い表現がそのまま報じられているシーンに引っかかったように感じました。数字の大きさや表現の強度に触れると、「これはどういう文脈で起きているんだろう」と気になる。そこに対して、この本は著者なりの視点で、韓国社会の制度やメディアの空気感がどう積み重なってきたのかを追いかけてくれます。もちろん、韓国を断定的に評価するというより、「なぜこういう現象が起きるのか」を一歩引いて眺める材料として読むとちょうどいい距離感でした。 個人的に効いたのは、表面的な日韓の“言い合い”として見えていた出来事を、国内政治の事情や歴史的な背景とセットで整理してくれたところです。ニュース単体だとただの違和感で終わってしまいますが、理由の筋道が一本通ると、相手の動きが「そういうことか」と理解に変わる瞬間があります。また、読んでいくうちに、こちら側の受け取り方にも思い込みがあったことに気づかされました。相手の過激な言葉だけを見るのではなく、それが生まれる環境を知ることで、必要以上に感情的に振り回されなくなるのはけっこう大きいです。 こんな人に刺さると思います。ニュースを見るたびに「何でこうなるんだろう」と感じつつ、現場の背景を自分なりに整理したい人。完璧な答えが手に入るというより、「判断のための材料が増える」タイプの本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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