
この本について
創作を始めたいのに、いざ向き合うと何から手をつければいいのか分からない。頭の中では「いいものを作りたい」が先に立って、最初の一歩が重くなる。俳句に限らず、文章でも仕事でも、あの“皮切”のハードルの高さは同じだなと感じます。 虚子の『俳句の作りよう』は、その「動き出せない感じ」に静かに寄り添いつつ、視点を少しだけズラしてくれます。例えば、材料は遠くに探すものじゃなくて、すぐそばに転がっているという感覚。題を前にして動けなくなるなら、いっそその題を箱にしまって、上に立って周りを見渡せばいいという発想の転換。形式の制約を嫌うのではなく、むしろその枠があるからこそ世界が立ち上がる、という言葉にも救われました。いきなり“価値ある句”を作れなくても、まずは一つ、たとえ拙くても形にすればいい。そこから、ようやく面白さが動き始めるんだと思います。 俳句の本ではあるけれど、「創作のファーストステップでいつも固まってしまう人」に届く内容です。制作の迷いに疲れた日ほど、静かに背中を押してくれる一冊でした。
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