
世界の哲学 50の名著 エッセンスを究める T・バトラー50の名著
T・バトラー=ボードン and 大間知知子
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この本について
最近、何かを判断するときに「自分の考えってどこまで自分なんだろう」とか、「この前まで正しいと思ってたことが、急に揺らぐ瞬間」が続くことがあって。仕事でも人間関係でも、同じ景色を見ているはずなのに噛み合わない理由が説明できず、けっこうモヤモヤしていました。 この本を読むと、そのモヤモヤが“自分だけの問題ではない”ことが少しだけ腑に落ちます。たとえば、脳が先に意図を決めてしまっている話とか、専門家でさえパラダイムの中でしか世界を見られないという指摘。あるいは、私たちが事実より「物語」に寄せて理解してしまうクセ。こういう前提があるのだと知るだけで、人の行動を必要以上に責めなくなるし、自分の判断の限界にも少し優しくなれます。 そして、世界の見え方そのものが時代のエピステーメーに縛られていて、知識も一直線に積み上がるわけではないという視点は、日々の仕事の「なんでこれが急に通用しなくなるんだろう?」という感覚にもつながります。現実が変わったのではなく、自分が寄りかかっていた地図が古くなっただけ、みたいな感触です。 「自分の思考の前提を静かに疑いたい人」に向いている本です。哲学の名著をまとめた一冊ですが、難解さよりも、“世界の見え方が一段ずれる感じ”を味わいたいときにちょうどいい距離感でした。
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