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星やどりの声 (角川文庫)

星やどりの声 (角川文庫)

朝井 リョウ

累計読者数4
平均ハイライト数 3.3件/人
star総合評価 40/100
boltライト読書型

この本について

仕事でも家のことでも、人との距離でも、「どこまで頑張ればいいのか」とか「本当は自分の中で答えが出てるのに動けない」とか、そういうモヤモヤが抜けない時期ってありますよね。誰かに背中を押してほしいわけでもないけど、一人で抱えていると重たくなるあの感じです。 『星やどりの声』は、そんな停滞した気持ちに、強い言葉で解決策を示すタイプの本ではありません。むしろ、登場人物たちが迷っている姿そのものが、こちらの心と静かに重なるんです。進路の選択を母に委ねられず、言葉のすきまを自分たちで埋めてきたきょうだいの姿とか、もう頑張りきってしまった店を前に言葉を失う姉の気持ちとか、向かい風に押し返されてゼロ地点に取り残されるような感覚とか。読んでいると、「ああ、この感じ、自分にもあったな」と思い出さされます。 特に刺さるのは、自分の弱さやズルさに気づきつつも、それを即座に“成長”で上書きしないところ。登場人物の揺れ方があまりに生活の延長線上にあって、こちらの迷いがちょっとだけ言語化されるんです。それがこの作品の静かな効き目だと思います。誰かに見抜かれているような、でも否定されていない安心感もあります。 自分のペースで進みたいけれど、立ち止まることに罪悪感がある人に刺さる一冊です。今すぐ答えを出せない自分を、そのまま置いておける小さな場所をくれる物語でした。

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