
保育士おとーちゃんの「叱らなくていい子育て」 (PHP文庫)
須賀 義一
PHP研究所 / 2015-01-05
この本について
子どもに向き合っていると、「なんで今日はこんなにうまくいかないんだろう」とか「もっとちゃんと関われていたら違ったのかな」といったモヤモヤが、どうしてもついてきますよね。叱りたくて叱っているわけじゃないのに、気づけば言葉で畳みかけてしまう。自分でも本意じゃないと分かっているのに、どう止めればいいのかが分からない。僕もずっと同じところでつまずいていました。 この本が教えてくれたのは、「叱る/叱らない」という二択の話ではなく、その前にある“子どもの行動の理由をどう見つめるか”という姿勢でした。子どもが理屈で動いているわけではなく、まずは大人の気持ちを感じ取っていること。できない姿があっても、そこで受け止めてもらえた経験の積み重ねが、やがて自分でやろうとする力につながること。さらに、大人が“減点法の見方”になっていると、どれだけ優しく接しているつもりでも、子どもは満たされず、ますます「やらない」方向に傾いてしまうこと。そのあたりの説明が、とても腑に落ちました。 個人的に助けられたのは、「叱る前にやれることはこんなにあるんだ」と具体的な関わり方のイメージが持てた点です。たとえば片付けの場面でも、行動だけを直そうとするのではなく、遊びの流れや子どもの“寄り添いたい気持ち”を見ながら関わることで、子ども自身が納得して動いていく。こういう実感をもてたのが大きかったです。 「子どもに良い姿を求めすぎて、逆に自分もしんどくなっている気がする」という人には、とくに静かに沁みる本だと思います。
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