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しんがりの思想 反リーダーシップ論 (角川新書)

しんがりの思想 反リーダーシップ論 (角川新書)

鷲田 清一

KADOKAWA / 2015-04-10

累計読者数4
平均ハイライト数 30.8件/人
推定読了時間 約2時間14分
star総合評価 74/100
trending_up後半加速型
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この本について

仕事でも地域でも、誰かが何とかしてくれるはずだと思いながら、結局モヤモヤだけ抱えてしまうことってありますよね。専門家に任せきりにするのも違う気がするし、かといって自分に何ができるのかははっきりしない。そんな「責任未満」の場所で立ち止まってしまうあの感覚に、この本はゆっくり切り込んできます。 読んでいて強く感じたのは、ここで語られるのは「リーダーになる方法」ではなく、「どうすれば他者と一緒に考えられる人になれるか」という視点だということです。行政と市民が混ざる公共の場づくりの話や、ボランティアを“自分を脆くする行為”として捉える視点は、きれいごとを剝がしたうえでのリアルな共同性を考えさせられます。また、「見て見ぬふり」と「見ぬふりをして見る」の違いのように、関わり方の細かいニュアンスが少しずつ自分の行動を変えていく感覚があります。 もうひとつ刺さったのは、縮小していく社会に合ったリーダー像の話。右肩上がりを知らない世代にとって、必要なのは大きく引っ張る人より、状況を見極めながら適正サイズに暮らしや働きを調整していく姿勢なのかもしれません。地域のつながりも、昔のムラ社会に戻るのではなく、「無縁の縁」のようにゆるやかに編み直していくことが求められている。そう思うと、自分の暮らしの解像度も少し上がります。 「誰かの後ろについていくより、まず自分の足場を確かめたい」という人に静かに響く一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

やかましいほどにリーダー論、リーダーシップ論がにぎやかである。いまの日本社会に閉塞感を感じている人はとくに、大きく社会を変えてくれるような強いリーダーを求めている。しかし、右肩下がりの縮小社会へと歩み出した日本で本当に必要とされているのは、登山でしんがりを務めるように後ろから皆を支えていける、または互いに助け合えるような、フォロアーシップ精神にあふれた人である。そしてもっとも大切なことは、いつでもリーダーの代わりが担えるように、誰もが準備を怠らないようにすることであると著者は説く。人口減少と高齢化社会という日本の課題に立ち向かうためには、市民としてどのような心もちであるべきかについて考察した一冊である。 鷲田清一(わしだ・きよかず)1949年、京都生まれ。哲学者。京都市立芸術大学学長。大阪大学名誉教授。せんだいメディアテーク館長。専門は臨床哲学・倫理学。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。関西大学文学部教授、大阪大学教授、同大学文学部長、総長、大谷大学教授をへて現職。著書に『分散する理性』『モードの迷宮』(以上2冊でサントリー学芸賞)、『「聴く」ことの力』(桑原武夫学芸賞)、『「ぐずぐず」の理由』(読売文学賞)、『「待つ」ということ』、『哲学の使い方』など多数。2004年、紫綬褒章受章。
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