
戦争・天皇・国家 近代化150年を問いなおす (角川新書)
猪瀬 直樹 and 田原 総一朗
KADOKAWA / 2015-07-08
この本について
最近、政治や歴史のニュースを見ても「結局、日本ってどうやって意思決定してるんだっけ?」みたいなモヤモヤが残ることが多いです。なんとなく仕組みは知っているつもりでも、目の前の政策や判断と結びつけようとすると急に霧がかかったようになる。そんな感覚を抱えている人には、この本がわりと腑に落ちる入口になります。 読者の方が保存していた部分を見ると、共通しているのは「日本はどうして決められないのか」「その背景には何が積み重なってきたのか」という視点でした。たとえば、戦前から続く官僚主権の構造とか、国家としての統合機能が弱いまま近代化を急いだこと、あるいは戦争の失敗がそのまま現在の制度や空気感に残っていること。こういう話が、今のニュースと地続きでつながってくるのがこの本の面白さです。過去を振り返るというより、「ああ、だから今こうなっているのか」と具体的に理解できる感覚に近いです。 もうひとつ、この本が効くのは、歴史を白黒では見ないところだと思います。誰か一人が悪いとか、制度を変えれば全部良くなる、といった単純化はしていません。むしろ、中曽根政権でも官僚と政治のねじれがあったように、どの時代も思うようにいかない現実があって、その中でどう舵を切るかという話が続いていきます。だから今の政策の迷走や、党内で議論が深まらない状況も、少し距離を置いて見られるようになる。 「歴史の話が今の自分の生活とどうつながるのか気になっている人」には特に刺さると思います。過去の出来事が、抽象ではなく生々しい「現在の風景」につながる一冊です。
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