
Fate/strange Fake(1) (電撃文庫)
成田 良悟, 森井 しづき, and TYPE-MOON
KADOKAWA / 2019-04-10
この本について
最近、人と向き合うときに「本音で動くのが怖いな」と感じる瞬間が増えている気がします。強がったり、逆に自分をごまかしたりして、そのほうが楽だとわかっているのに、どこかで胸の中がざわつく。大げさな話じゃなく、ちょっとした会話や仕事中の判断でも同じで、「自分は何者として振る舞ってるんだろう?」と立ち止まることがあるんですよね。 『Fate/strange Fake(1)』の抜粋を見ていると、そのざわつきに触れるような場面が多くて、読者の方が保存した理由もすごくわかる気がしました。例えば、偉そうに見えて実は未熟さを抱えたまま王であろうとする存在や、悪人や狂人の“ふり”をすることで自分を守る登場人物たち。どれも極端なキャラクターに見えるのに、「ああ、こうやって役割に逃げたくなる気持ち、わかるな」と思わされます。物語として派手なのに、感情の動きは妙に生活感があるというか。 この作品が効いてくるのは、まず“自分が選んでいる仮面”に気づけるところだと思います。誰かの前でどう振る舞うかを決めているのは結局自分で、その理由も本当はうすうすわかっている。でも、キャラクターたちの極端なやり方を見ると、なぜか少し俯瞰して見られるようになる。そしてもう一つ、驚きや焦りが混ざった「おまえなのか?」のような場面は、関係性の本質に触れる瞬間の温度を思い出させてくれます。強がりや役割を抜きにした時にだけ出てくる感情って、誰にでもありますよね。 こんな人に刺さると思います。自分がつい“演じてしまう瞬間”に心当たりがある人。物語としてはしっかりエンタメなのに、読んでいる自分のほうが少しだけ素直になる不思議な一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの44%が集中しています。
読書の順序
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