
新規上場を目指す社長のための資本政策 — 種類株式時代のIPO —
南方 美千雄
この本について
上場を目指す社長の方と話していると、「資本政策って結局いつ何を決めるべきなのか」「税金まわりが怖すぎて一歩が踏み出せない」といったモヤモヤをよく聞きます。実際、ストックオプションひとつ取っても、適格か非適格かで税負担が桁違いになったり、付与の仕方次第で将来の株価や支配権にまで影響が出たりします。頭では分かっていても、現場では判断材料が足りず迷いっぱなしなんですよね。 この本が面白いのは、制度の説明よりも「現場で本当に起きたこと」を基準に語られているところです。例えば、上場後の株価急落で納税額が売却益を超えかけた話や、監査役に付与したストックオプションが税制適格にならないまま進んでいたケースなど、痛みを伴う実例がそのまま載っている。おかげで、単なる知識としてではなく、「こういう落とし穴があるから、今のうちに確認しておこう」と自分ごとで考えやすくなります。また、議決権の設計や財産保有会社の扱いなど、オーナーシップを守りながら上場を目指すための具体策もかなり実務寄りで、迷いやすいポイントがそのまま言語化されていました。 資金調達やVC比率、ロックアップ、第三者割当の扱いなど、どれも決定のたびに胃が痛くなるテーマばかりですが、この本は「正しい答え」を押し付けるというよりも、判断の背景にある理由を丁寧に示してくれるので、腹落ちして動きやすくなります。上場準備の途中で「これ本当に今やって大丈夫?」と不安になることが増えてきた社長にこそ刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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