
企業不祥事を防ぐ (日本経済新聞出版)
國廣正
この本について
仕事をしていると、「なんでこんな不正が起きるんだろう」「うちの組織も気づかないうちに危ない方向に行ってないか」と、胸の奥がざわつく瞬間ってあります。ルールを増やせば安心するわけでもなく、結局“現場の空気”にのみこまれてしまう感じがして、どこから手をつければいいのか分からないまま時間だけが過ぎていく。僕も同じようにもやもやしていました。 『企業不祥事を防ぐ』は、その不安に対して「視点を変えると見えてくるものがある」と教えてくれる本でした。不祥事は個人の暴走ではなく“集団でのごまかし”として起きることが多いこと。だからこそ、人はずるをする存在だと前提に置き、そもそもごまかしができない仕組みをつくるという地に足のついた対策が必要なこと。そして、形式的な遵守ではなく、ステークホルダーの目線でレピュテーションリスクを見極める“七〇点対応”の柔軟さがむしろ大事だということ。このあたりが読んでいて特に腹落ちしました。 さらに印象的だったのは、「空気読まない力」や「異質な人との対話」といった、人間らしさを企業風土の中でどう活かすかという視点です。チェックリストで固めるより、社員が自分の頭で“概ね正しい選択”をできる状態をつくるほうが、不祥事防止につながるというのは、現場感としてすごくリアルです。 組織のコンプライアンスに関わっている人はもちろん、「最近、職場の空気が気になる」という人にも静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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