
堕落論〔続堕落論〕
坂口 安吾
累計読者数4
平均ハイライト数 16.3件/人
star総合評価 51/100
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この本について
日々のニュースや仕事の場面で、「何が正しいんだろう」「なんとなく周りの空気に合わせてしまうな」と感じることが増えてくると、ふと自分の芯みたいなものが曖昧に思えてくることがあります。枠組みに従うのがラクなのは分かるのに、どこかでその枠が息苦しい。この感覚を言葉にしづらいまま抱えている人は多い気がします。 坂口安吾の『堕落論〔続堕落論〕』は、そんな“うまく言えない違和感”に真正面から触れてくる本でした。堕落という言葉は刺激的ですが、読んでいると安吾が言いたいのは「一度まっさらになって、自分の声に戻れ」という話に近いと分かります。建前の道義や美徳に寄りかかる前に、まず人間をそのまま見ようとする姿勢が徹底していて、「表面のきれいごとで代償を求めても無理」という指摘は今でも十分刺さるはずです。過去や共同体に引き戻される力が強い社会の中で、個として立つことのしんどさも、かなり生々しく描かれています。 読んでいると、安吾の言葉に押し切られるというより、自分の中に眠っていた疑問が少しずつ輪郭を取り戻す感覚がありました。人や組織とぶつかることを恐れて曖昧に流してしまう場面で、「本当は自分はどう思っているんだっけ」と足を止めるきっかけにもなります。少し荒々しいところもある本ですが、だからこそ現実に引き寄せて読める部分が多い。 自分の感情や価値観を一度リセットして見つめ直したい人に、静かに刺さる本だと思います。
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