
差別感情の哲学 (講談社学術文庫)
中島義道
累計読者数6
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推定読了時間 約4時間18分
star総合評価 72/100
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この本について
他人にどう見られているか気になりすぎたり、正しさをめぐって妙に疲れたり、誰かの“正義”に押しつぶされそうになったり。自分でも言葉にしづらいモヤモヤを抱えたまま日常を回していると、「これって自分だけ?」と不安になることがあります。僕もずっとそうで、この本を読んでようやく自分の中の感情の形が少しだけ見えました。 『差別感情の哲学』が助けになるのは、きれいごとを挟まずに、人間が抱える嫌悪や優越感、そして「正常でいたい」という欲望を正面から扱っているところです。たとえば、弱者を嫌悪する人と、道徳を振りかざして他者を断罪する人が、じつは同じ欲望の延長線上にいるという指摘は、今のSNSの風景と重なる部分が多いです。また、成功者の“謙虚さ”がどれだけ簡単な態度かを丁寧に説明したうえで、そこに負い目を持つ必要があると語るくだりは、自分の中の不公平感を捉え直すヒントになります。そして何より、嫌われたくない気持ちが強すぎると、かえって差別感情に流れやすくなるという話は、耳が痛いけれど現実的です。 人間の感情の暗い部分から逃げずに向き合いたい人に刺さる本です。僕自身、読む前よりほんの少しだけ、自分のなかのざらつきを扱いやすくなりました。
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出版社による紹介
差別とはいかなる人間的事態なのか?他人に対する否定的感情(不快・嫌悪・軽蔑・恐怖)とその裏返しとしての自分に対する肯定的感情(誇り・自尊心・帰属意識・向上心)、そして「誠実性」の危うさの考察で解明される差別感情の本質。自分や帰属集団を誇り優越感に浸る、われらのうちに蠢く感情を抉り出し「思考の怠惰」を追及する、哲学者の挑戦。
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