
死に至る病 (岩波文庫)
キェルケゴール and 斎藤 信治
講談社 / 2017-04-10
累計読者数4
平均ハイライト数 48件/人
推定読了時間 約3時間35分
star総合評価 55/100
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この本について
仕事でも人間関係でも、うまくいかない理由を「状況」や「他人」に置きたくなる時があります。でも本当に苦しいのは、その裏で自分の中に起きている感情の正体がつかめないまま、生き続けてしまうことなんじゃないか…と、この本を読むたびに思います。キェルケゴールの言う「絶望」は、何か劇的な出来事よりも、自分の内側で静かに進むずれのようなものとして描かれています。 抜粋に反応している人は多分、「自分が何に絶望しているのか分からないけど、何かがおかしい気がする」というあの感覚に心当たりがあるのだと思います。たとえば、恋人や仕事を失ったときに落ち込む理由が、実は対象ではなく“それを失った状態にある自分”への拒否だったり、自力でなんとか立て直そうとしても余計に苦しくなる仕組みが丁寧に説明されていて、読んでいるうちに「ああ、自分の苦しさってこういう構造なんだ」と少し輪郭が見えてきます。 この本が効くのは、絶望を“異常事態”としてではなく、“人が生きる過程で必ず通るもの”として捉え直せるところです。自分の弱さや限界に頭を下げることがなぜ難しいのか、そしてそれを避け続けるとどう迷子になるのかが、ゆっくりと言語化されていきます。読み進めて急に明るくなるわけじゃありませんが、静かに地図を渡される感じがあります。 自分の感情の底で何が起きているのか確かめたい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
「死に至る病とは絶望のことである」。──この鮮烈な主張を打ち出した本書は、キェルケゴールの後期著作活動の集大成として燦然と輝いている。本書は、気鋭の研究者が最新の校訂版全集に基づいてデンマーク語原典から訳出するとともに、簡にして要を得た訳注を加えた、新時代の決定版と呼ぶにふさわしい新訳である。「死に至る病」としての「絶望」が「罪」に変質するさまを見据え、その治癒を目的にして書かれた教えと救いの書。
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