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地下室の手記 (光文社古典新訳文庫)

地下室の手記 (光文社古典新訳文庫)

ドストエフスキー and 安岡 治子

累計読者数10
平均ハイライト数 7.7件/人
推定読了時間 約5時間42分
star総合評価 42/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 17%

この本について

仕事のあと、ふと「なんで自分ってこんな面倒くさい思考回路なんだろう」と立ち止まることがあります。やらない理由をこね回しながら、同時に動けない自分にじわっと嫌気がさす。しかも、その情けなさにどこか奇妙な快感まで混ざっていて、余計にややこしくなる。こんな感覚、口には出せないけれど、なくはないよなと感じている人は多いと思います。 『地下室の手記』は、その一番言語化しづらい領域を、痛いほど正確に描いてきます。怠けている自分にすら「肩書きがほしい」と思ってしまう妙な自尊心とか、理性では正しく理解しているのに、あえて違う方向へ転がっていく気まぐれとか。読んでいて胸がざわつくのは、主人公のねじれた感情が極端だからではなく、自分の中にも同じ回路があると気づいてしまうからなんですよね。しかも彼は、その恥ずかしい部分を隠さず、むしろ堂々と「これが俺の姿だ」と見せつけてくる。その率直さに、ちょっと救われる瞬間があります。 特に、何かと自意識が先に動いてしまう人や、頭の中で”自分物語”を作り込んでしまう癖がある人には深く刺さると思います。自分をネズミ扱いしながらも、その感情の動きを徹底的に観察していく主人公の姿は、反面教師というより、「ここまで開き直れば、もうちょっと楽になるかも」と思わせてくれるところがあるんです。 これは人生を変えるようなタイプの本ではないけれど、日常でこじれてしまった自分の感情を、少し外側から眺め直すきっかけにはなるはずです。自意識の扱いに疲れたときにこそ、静かに沁みてくる一冊です。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。
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