
宇宙生物学で読み解く「人体」の不思議 (講談社現代新書)
吉田たかよし
講談社 / 2013-09-17
この本について
栄養のことを調べれば調べるほど、何を食べればいいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。タンパク質が大事と言われる一方で、体の中でどう扱われているのかまでは、意外と知らないまま日々の食事を選んでいたりします。僕自身、「なんとなく良さそう」で判断してしまうことが多くて、じわっとした不安だけが残ることがありました。 この本を読んでおもしろかったのは、人体の仕組みを“宇宙生物学”という視点から説明しているところです。たとえば、タンパク質をエネルギー源にすると肝臓や腎臓に余計な負担をかける理由が、窒素の扱いという非常に具体的な話からすっと理解できたり、人間の脳がここまで大きくなった背景に「脂肪をつくる酵素」を進化の過程で獲得したという事実があったりします。食べ物がどう吸収され、どんな意味を持って体の中で働くのかが、感覚ではなく「なるほど、そういうことか」と腑に落ちる形でつながっていきます。 さらに、ATPの仕組みやリンの扱いのような、生物が共通して持っている根本的なルールにも触れていて、地球の生物がどれだけ“同じ方式で動いているか”が不思議なくらいクリアに見えてきます。生活のために知識を増やしているつもりが、気づけば生命そのものの成り立ちまで眼差しが広がっていく感じがあって、読み終わったあとに日常の見え方が少し変わりました。 「食べ物と身体のつながりを、感覚ではなく構造から理解したい人」にじわっと響く一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
読書の順序
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