
文豪どうかしてる逸話集
進士 素丸
累計読者数6
平均ハイライト数 6件/人
推定読了時間 約4時間6分
star総合評価 48/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 36%
この本について
仕事でも日常でも、人間関係の「正しさ」みたいなものに振り回されて、ふと自分の小ささに落ち込むことがあります。強く見せたい日もあれば、弱さがにじむ自分にしょんぼりする日もある。そんな時に、昔の文豪たちの“どうかしてる”一面を覗くと、不思議と肩の力が抜けました。立派に見える人ほど裏では迷ってたり、めちゃくちゃだったりするんだな、と。 この本が面白いのは、ただの奇行集ではないところです。例えば、漱石がロンドンで子規の訃報を知り、『吾輩は猫である』を贈るように書いた話には、人との距離の取り方に悩む時のヒントがあるし、谷崎の内気すぎる少年時代を知ると、「どんな人にも複雑な原点があるんだな」と視点が変わります。直木三十五の年齢で改名を繰り返して菊池寛に怒られるエピソードなんて、完璧じゃない自分をごまかしながら生きる日々とどこか重なって、ちょっと笑えて救われるんですよね。 放蕩や反骨で知られる無頼派の姿も、破天荒というより「権威とか正しさを前にすると息がつまる人の行き場」に近くて、自分の中の不器用さを許せる感じがあります。待つ身か待たせる身か、そんなことで揺れる自分だって別におかしくない。文豪たちの迷い方を見ていると、むしろその揺れが人間らしさなんだと思えてくる。 完璧じゃない自分に疲れた時、他人の“崩れた部分”の中に妙な安心を見つけてしまう人に刺さる一冊だと思います。
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