
パーク・ライフ (文春文庫)
吉田 修一
文藝春秋 / 2004-10-10
累計読者数5
平均ハイライト数 10.4件/人
推定読了時間 約1時間36分
star総合評価 51/100
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この本について
人と関わるとき、必要以上に踏み込みすぎてもいけないし、距離を置きすぎても何か大事なものを取り逃している気がする。公園みたいに、近すぎず遠すぎず、ただ同じ空気の中にいるだけでいい関係って、本当はどこに転がってるんだろう…と、ふと立ち止まる瞬間がありませんか。 『パーク・ライフ』は、そんな曖昧な距離の揺れを、そのままの温度で見せてくれる小説でした。相手の名前を知らないまま会話が続くことがあるし、言えばよかった一言をわざと飲み込むこともある。妊娠の話題みたいに、触れたら何かが変わってしまいそうで沈黙を選ぶこともある。ここには、説明できないけれど確かに心が動いた“あの一分”みたいな時間が、そのまま残っています。 読んでいると、公園でのやり取りのように、相手との距離が静かに縮まる感覚があって、自分の生活の中にも似たような場面があったことを思い出します。誰かと関わるとき、無理に意味を求めなくていいんだな、と少し力が抜ける。自分の暮らしが誰かのものに乗っかったように感じてしまう瞬間の、あの居心地の悪さにもそっと手を当ててくれる。 静かな物語ですが、「名前も知らない誰かとの関係に救われたことがある人」には、思いのほか深く染みると思います。
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出版社による紹介
昼間の公園のベンチにひとりで座っていると、あなたは何が見えますか? スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる。『東京湾景』の吉田修一が、日比谷公園を舞台に男と女の微妙な距離感を描き、芥川賞を受賞した傑作小説。役者をめざす妻と上京し働き始めた僕が、職場で出会った奇妙な魅力をもつ男を描く「flowers」も収録。
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