
この本について
道を歩いていて「なんでここ曲がるんだっけ?」と立ち止まったり、人の名前がスッと出てこなくて気まずい思いをしたり。僕もずっと「記憶力が弱いだけだ」と思い込んでいたんですが、この本を読んで、原因がもっとシンプルなところにあるんだと気づきました。ぼんやり見ているだけで、ちゃんと“観察”していない。覚えようとしているようで、頭の中では別のことを7個ぐらい考えている。そんな小さな積み重ねが、抜け落ちにつながっていたんだなと。 この本が面白いのは、「記憶力を鍛えるぞ」と気合いを入れるというより、日常の捉え方を少し変えるだけで驚くほど覚えやすくなるところです。たとえば道なら、ただ歩くんじゃなくて「クリーニング店の角」「古いアパートの向かい」みたいに、自分の言葉で目印をつけていく。名前なら、相手の名前をそのまま頭の中に置いておくんじゃなくて、イメージに変えてしまう。「柳沢さん=頭から柳が生えてる」とか、ちょっとした遊び心を入れるだけで定着が全然違います。さらに、見たものに感想をくっつけるクセをつけると、記憶の“引っかかり”が増えていく感覚があります。 結局、覚えられないのは能力じゃなくて、ただ「覚えやすい形にしていないだけ」なんだと思います。忘れ物が多い人、方向がすぐわからなくなる人、名前が覚えられなくて毎回ヒヤッとする人。そんな、“生活上のちょっとした記憶ストレス”を減らしたい人に静かに効いてくる一冊です。
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