
まちで闘う方法論
木下斉
学芸出版社 / 2016-05-15
この本について
地域の仕事に関わっていると、「ちゃんと考えて動いているつもりなのに、成果につながらない」「会議は進むのに、現場の手応えがない」というモヤモヤが積み重なっていきます。自分の悩みなのか、ただの迷走なのか、その境目も曖昧になってきます。 『まちで闘う方法論』を読んで刺さったのは、こうした“行き詰まり”の原因が、実は思考の軸の欠如にあると明確に示してくれるところでした。例えば、商品づくりなのに肝心の小売や消費者が協議にいない構造や、予算ありきで企画が歪む現場のリアル。こういう「言われてみれば当然なのに、現場だと見落としがち」なポイントを丹念に拾い上げてくれます。さらに、失敗と正論での修正を重ねることでしか精度は上がらない、という姿勢にも救われます。うまく行っている人の裏では、必ずそういう積み重ねがあるのだと実感できます。 もう一つは、“稼ぐ”という視点を避けずに語っている点です。地域のために良いことをしたいのに、黒字化の話が出た瞬間に空気が変わる…という経験を持つ人は多いはずです。この本は、そこをきれいごとにせず、「誰のために価値を生むのか」を軸にすれば、むしろ稼ぐことが地域の自立につながると具体的に示してくれます。 地域での活動が「善意だけでは続かない」と薄々感じている人にとって、視点の整理にちょうどいい本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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