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地域再生の罠 ――なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

地域再生の罠 ――なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)

久繁哲之介

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この本について

地方のニュースを見ていると、「また箱物か…」「街って本当に良くなってるの?」みたいなモヤモヤがどうしても残りますよね。自分の暮らしにも関わる話なのに、外から眺めるしかない感覚というか。僕も同じで、専門家が言う“成功”と、市民として感じる“ちょっと違う”のズレがずっと気になっていました。 この本は、そのズレを丁寧に言語化してくれます。例えば、スローフードを「地域のブランド化」と混同してしまう空気に対して、本来は身近な人とゆっくり過ごす時間そのものが価値なんだと返してくれるところ。あるいは、賑わったように見えるイベントも、月に1度だけなら市民からは失敗に見える、という視点の転換。さらに、アンケートや成功事例集が“事前に決めた結論の強化”に使われてしまう現実を、具体例とともに淡々と突きつけてきます。読んでいて気持ちよくはないけれど、「なんで地方の施策がうまくいかないのか」という疑問の根っこがクリアになる感覚があります。 地域づくりの話ではあるけれど、仕事で意思決定に関わる人、組織の空気に違和感を抱えている人にも刺さると思います。変に夢を見させる本ではなく、足元を見るための眼鏡を一枚もらうような一冊です。

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