
これからの地域再生 犀の教室
浅川芳裕、新雅史、木曽崇、島原万丈、広瀬郁、藤野英人、飯田泰之
この本について
地方のことを考えるとき、「結局どこから手をつければいいのか…」という感覚がつきまといます。行政もプレイヤーも多くて、合意形成を待っていたら何も動かないのに、自分ひとりで勝手に進めていいのか迷う。さらに、移住や地域ビジネスの話になると、理想論と現実のギャップに戸惑う場面も多いと思います。 この本は、そうした宙ぶらりんな感覚に具体的な足場を与えてくれました。たとえば「まずは小さく始める」という姿勢。よそ者のアイデアは理解されにくいけれど、小さく結果を積み上げることで関係者の目線が変わっていく過程が描かれていて、妙に腹落ちしました。また、地域再生を“人口を増やすこと”で語らない点も印象的でした。地域が稼げるようになるには、外への販売だけでなく、開発や企画といったクリエイティブ活動を地域内で回す必要があるという視点は、地味だけど実務的です。そして、農家と地元スーパーが対等に責任を持ち合う契約栽培の話など、現場での関係構築のリアルがしっかり書かれているのもありがたいところでした。 全体を通して派手な成功物語ではなく、地域にいる人たちの癖や構造的な問題まで丁寧に扱っていて、「現場で何かを変えたいけど、正解が見えない」と感じている人にはとても向いている本です。地方に関わる仕事をしている人だけでなく、「都市の生き方に少し息苦しさを感じている人」にも静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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