
深層視考: 脳みそを使い切る!『囲んで・繋げて・考える』全く新しいiPad Proの使い方
木村 悠貴
この本について
仕事でも日常でも、情報を集めているはずなのに頭の中が散らかっていく感じ、けっこうありますよね。考えたいのに考えられないというか、「わかったつもり」が積み重なっていくあのモヤモヤ。僕もiPadを道具として使っているつもりで、実は思考が外側に流れっぱなしになっていることに気づかされました。 この本がおもしろいのは、単にiPad Proの活用法を語っているんじゃなくて、「そもそも人がどうやって考えるか」という土台から扱っているところです。ソクラテスが書き言葉を警戒した話が出てきますが、あれは単なる豆知識ではなくて、いまの僕らがテキスト中心の世界で失いかけている“生きた思考”を取り戻すヒントとして効いてきます。文字だけでは抜け落ちる抑揚やリズムまで含めて考えるには、図で囲んだり、線でつないだりするほうが自然なんだろうなと実感しました。 もうひとつ刺さったのは、「絶対価値」と「相対価値」の違いをちゃんと切り分けて考える姿勢です。誰かの基準ではなく、自分にとってどうかをまず置いてみる。そこから視点を外へ広げる。この順番が整うだけで、情報の整理や意思決定のスピードがかなり変わるはずです。ダン・ロームのビジュアルシンキングに触れながら、思考を手で動かす意味をiPad上で再構築してくれるのもありがたいところでした。 「情報は触っているのに、考えた手応えがないまま終わることが増えてきた」という人には、とても合う一冊だと思います。僕自身、iPadの使い方というより“思考の使い方”を見直すきっかけになりました。
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