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10万個の子宮

10万個の子宮

村中 璃子

平凡社 / 2018-02-07

累計読者数5
平均ハイライト数 7.4件/人
推定読了時間 約3時間19分
star総合評価 39/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%

この本について

ニュースになるたびに「何を信じればいいんだろう」と立ち止まってしまうこと、ありませんか。専門家の言っていることも、当事者の声も、それぞれに切実で、でもどこか噛み合っていない。私もワクチンや健康の話題は特に、感情と事実のあいだで揺れてしまうタイプです。 『10万個の子宮』を読んで感じたのは、あの混乱の裏側には、単なる賛否では片づけられない、人の不安と社会の構造が複雑に絡まっていたということでした。接種後に不調を訴える少女たちの背景に「身体でしか助けを求められない状況」があったかもしれないという指摘に、私は思わず手が止まりました。正しさの議論の前に、まず「なぜこの子はこう振る舞うしかなかったのか」という視点が置かれているのが、この本の大きな特徴です。 そしてもうひとつ心に残ったのは、日本の政策判断がどれだけ感情に左右され、結果として誰の健康を守れなかったのかという事実が淡々と描かれているところ。著者はワクチンを持ち上げすぎず、逆に不調を訴える子を切り捨てることもしません。科学的な根拠と人の苦しみ、その両方を丁寧に拾おうとする姿勢が、読み手のこちら側にも「自分はどこで判断を止めていたんだろう」と考えさせてきます。 情報が多すぎて何が本当かわからなくなる人、誰かの痛みと科学的根拠のどちらも大切にしたい人には特に刺さる一冊だと思います。自分の判断軸をもう一段深くしたいときに、この本は静かに効いてきます。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

日本人初の快挙、ジョン・マドックス賞受賞! 日本では2011年から公的補助が始まり、2013年4月には定期接種となった子宮頸がんワクチン。しかしそのわずか2ヵ月後、国は積極的な接種の推奨を一時見合わせた。ワクチンを打った少女の親たちから、けいれんや記憶力低下など、神経の異常を思わせる症状がわが子に始まったとの訴えが起こったためだ。その後、ワクチンが症状の原因という科学的根拠は見つからず、ワクチンの安全性と効果が国際的にも確立されたにもかかわらず、日本ではワクチン接種の見合わせは継続されたままだ。 現役の医師でありジャーナリストでもある著者は、3年にわたり、被害を訴える少女や親、症状から回復した女性、複数の診療科の医療関係者、行政関係者などへ膨大な取材を行ってきた。少女たちの身体の症状が本当に訴えていたこととは──。サイエンスにもとづき、子宮頸がんワクチン問題の背景と日本社会の闇に切り込んだ、衝撃のノンフィクション。
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