
社会学的方法の規準 (講談社学術文庫)
エミール・デュルケーム and 菊谷和宏
講談社 / 2018-06-11
この本について
日々ニュースを見たり、社会の空気に振り回されたりすると、「自分の感じている違和感って正しいのか?」とか「常識ってそんなに固いものなんだっけ?」みたいなモヤモヤが出てきます。頭の中では理解したつもりでも、実際の社会はもっと重たくて複雑で、どう扱えばいいのか分からなくなることがあります。 デュルケームの『社会学的方法の規準』は、そんな混乱をいきなり晴らしてくれるタイプの本ではないのですが、「なぜ社会を見るときにこんなに迷うのか」の根っこを丁寧に示してくれます。常識が本質的に保守的で、目の前の社会的事実を“変えられない物”として扱いがちだという指摘は、自分がいつの間にか固定観念に頼っていたことに気づかせてくれます。また、社会的事実を単なる観念の産物として片づけてしまう危うさを示す部分は、安易な“論破”や軽い一般化に流れそうになるときの歯止めになる感覚がありました。 さらに、個々の社会ではなく「社会種」という媒介項を置く発想は、歴史家と哲学者の視点のズレを埋める試みでもあって、「社会を見るときにどこまで一般化できるのか?」という自分の迷いに、ひとつ整理の軸をくれます。科学的合理主義を人間の行為にまで拡張しようとする姿勢も、行きすぎた楽観ではなく、観察と検証に戻るための地に足のついた態度として読めました。 常識に振り回されつつも、社会をもう少し落ち着いて見たい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの63%が集中しています。
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