
フランクフルト学派 ホルクハイマー、アドルノから21世紀の「批判理論」へ (中公新書)
細見和之
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推定読了時間 約4時間46分
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この本について
日々ニュースを見たり、人と話したりする中で、「自分が見ている社会って、どこまで“自分の意見”なんだろう」とふと不安になることがあります。何かに流されている気もするし、一方で自分の感覚だけを信じるのも心もとない。そんな揺れの中でこの本を読んだとき、社会に対して抱えていたモヤモヤの“奥行き”みたいなものがやっと見えた気がしました。 この本が効くのは、まず「社会が私たちの思考そのものをどう形作っているのか」をとても丁寧にほどいてくれるところです。カントの“構想力”を社会の働きとして読み替えるホルクハイマーの話は、主体がどこまで自分で、どこから社会なのかという問いにひとつの足場を与えてくれます。さらに、ベンヤミンの「歴史は編集可能である」という視点は、過去の意味は固定されていないし、いまの態度によって書き換えうるのだという小さな希望を残してくれます。そして、アドルノの“同一化の暴力”の指摘に触れると、なぜ自分が日常の中で息苦しさを覚えるのか、その構造を外側から眺められるようになります。 こういう話にピンと来るのは、「社会に飲まれたくはないけど、単なる反発で終わりたくもない人」だと思います。理論を難解な抽象論として楽しむというより、現実の違和感の説明書として読みたい人にはすごく合うはずです。読んでいて軽くはないけれど、視界がぱっと変わる瞬間が何度かありました。
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出版社による紹介
ホルクハイマー、アドルノ、ベンヤミン、フロム、マルクーゼ...。一九二三年に設立された社会研究所に結集した一群の思想家たちを「フランクフルト学派」とよぶ。彼らは反ユダヤ主義と対決し、マルクスとフロイトの思想を統合して独自の「批判理論」を構築した。その始まりからナチ台頭後のアメリカ亡命期、戦後ドイツにおける活躍を描き、第二世代ハーバーマスによる新たな展開、さらに多様な思想像の未来まで展望する。
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