
万物の黎明~人類史を根本からくつがえす~
デヴィッド・グレーバー, デヴィッド・ウェングロウ, and 酒井 隆史
この本について
最近、「平等とか自由って、結局どこから来たんだっけ…?」みたいなモヤモヤが消えなくて。ニュースを見ても議論を聞いても、前提にしている価値観そのものが本当に揺らいでいる感じがするんですよね。自分が当たり前だと思っている考え方が、そもそもどう生まれたのかを知らないまま判断していたのかもしれない、という不安というか。 『万物の黎明』を読んで少し救われたのは、その「当たり前」をいったん解体してくれるところです。たとえば、自由や平等のイメージが自然に西洋から生まれたわけじゃなく、アメリカ先住民との対話から形づくられていったという視点は、自分の思考の土台に別の光を当ててくれました。また、社会が複雑になるほど自由が失われる、というよくあるストーリーも、実際には特定の政治的目的で作られた“物語”にすぎないと示されるあたりで、思い込みに気づかされます。そして何より、人間は支配に従いやすい本能を持ちながら、同時に「従わない」と選びとる力もあるという指摘が、妙に現実的で、だからこそ希望がある。 歴史の大枠を塗り替えるような本ですが、読みながら「自分が何を前提に生きていたのか」を静かに点検する作業に近い感覚でした。いまの社会の“ルールそのもの”に違和感を覚えている人には、特に刺さると思います。
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