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カメラを持て、町へ出よう 「観察映画」論(集英社インターナショナル)

カメラを持て、町へ出よう 「観察映画」論(集英社インターナショナル)

想田和弘

集英社 / 2015-07-24

累計読者数3
平均ハイライト数 8.7件/人
推定読了時間 約3時間46分
star総合評価 47/100
menu_book精読型
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この本について

人を相手にするときって、つい「これはこういうものだろう」と思い込んでしまって、大事なところを見落としていたんじゃないか……と後から気づくことがよくあります。仕事でもプライベートでも、相手の言葉を取りにいくほど距離が遠くなったり、逆に何も聞けずに誤解したり。その中間がどこにあるのか、いつも迷います。 想田和弘さんの『カメラを持て、町へ出よう』は、その迷いにゆっくり手を添えてくれる本でした。抜粋にもある通り、「出会ったものは撮る、出会わなかったものは諦める」という姿勢や、「一番大事なことはあえて聞かない」という考え方は、一見カメラマンの話に思えるけれど、実際はふだんの観察やコミュニケーションにもそのまま響きます。相手を“理解しようとする圧”を手放して、ただよく見て聴く。その結果、見えてくる輪郭が確かにあるんだと感じました。 もう一つ刺さったのは、「自分がどう見えたのかをフェアに描く」という部分です。主観を消すのではなく、都合よく盛らない。その態度があるからこそ、相手の複雑さや矛盾をそのまま受け止められる。これは人間関係でも同じで、わからなすぎず、わかりすぎない“宙ぶらりん”の距離を保つことが、結果的に誠実さにつながる気がします。 観察が苦手だと思っている人よりも、「わかろうとしすぎて疲れがちの人」にこそ静かに刺さる本です。慌てて答えを取りに行かず、まずは目の前の現実をちゃんと見てみる。その当たり前を取り戻したいときに、そっと横に置いておきたくなりました。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

世界中の映画祭で喝采を浴びたドキュメンタリー映画『選挙』や『精神』。「観察映画」というユニークな手法を実践する気鋭の映画作家が、いかにして、そしてどのような哲学のもとにドキュメンタリーを撮り、編集し、公開し、経済的にサバイバルしているのか。受講者と共にインタラクティブな形式で語る。ドキュメンタリーとは、世界を切り取り、その断片を再構成することで、作り手の見方や体験を観客と共有する芸術様式。ドキュメンタリーの作り方と哲学を通じて、読者に新たな「世界の見方」のヒントを提示する。
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