
文化系のためのヒップホップ入門2 (いりぐちアルテス)
長谷川 町蔵、大和田 俊之
アルテスパブリッシング / 20180925
この本について
音楽を聴いていて、「なんで海外と日本でこんなに質感が違うんだろう」とか、「好きなんだけど言語化できない違和感がある」とか、そういうモヤモヤってありませんか。自分もずっとそこが説明できずにいたんですが、この本を読むと“構造としての違い”が急に輪郭を持ち始めます。しかも断言調ではなく、著者の二人がああでもないこうでもないと語り合っていて、読んでいる側も一緒に迷っていい空気があるんですよね。 たとえば、ループそのものより“ぶつ切り感”“針飛び感”の方が本質だという話。形式ではなく、感覚の継承なんだという説明に、ヒップホップが単なる技法じゃなくて文化として積み上がってきたものだと気づかされます。それから、J‑POPがなぜ世界に届きづらいのかを「良し悪し」ではなく「構造が違うから」と言ってくれるところも救われます。批評というより、迷っている自分に寄り添いながら視点だけそっとずらしてくれる感じです。 あと個人的に刺さったのは、アーティストの奇妙なPVやサンプリングの例を「どう反応したらいいのかわからないまま」語るやりとり。わからないものを笑ってもいいし、戸惑ったまま受け止めてもいいんだと思える柔らかさがあります。音楽の世界の広さに気づくというより、「自分の感じ方をそのまま持ち込んでいい場所なんだ」と思えるのが大きいです。 海外音楽の“質感の謎”が気になっている人、なんとなくヒップホップが理解しきれないまま距離を置いていた人には、かなりしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
読書の順序
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