
日本の音 (平凡社ライブラリー71)
小泉 文夫
NTT出版 / 2017-12
累計読者数3
平均ハイライト数 112.3件/人
推定読了時間 約4時間41分
star総合評価 63/100
start序盤集中型
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この本について
ときどき、自分が聴いている音楽って、本当に自分の感覚から選んでいるのか、それとも「なんとなくそういうものだと思ってきただけ」なのか分からなくなる時があります。邦楽に興味はあるのに、いざ触れようとすると距離があるように感じる…そんなモヤモヤ、けっこう共通なんじゃないでしょうか。 『日本の音』は、その距離の正体を静かにほどいてくれる本でした。日本の古典音楽が特別に難しいわけではなく、そもそも日本もアジアの一部で、音階もリズムも国際的な流れの中で育ってきたという視点は、自分の“分からなさ”を責めずに済む安心感があります。また、西洋音楽がいつの間にか「教養」の位置を占めてしまい、自分で歌ったり鳴らしたりする感覚から離れてしまった構造を丁寧に示してくれるので、音楽との向き合い方そのものが少し変わります。宴会で『炭坑節』を歌うくだりなんて、笑いながらも刺さります。自分の音楽が“使える”感覚を持っていないという指摘、図星でした。 さらに、日本の音階や声の文化が、実はアジア各地と地続きで、決して孤立した伝統ではないという話もおもしろいです。雅楽が“日本独自”でも“舶来そのまま”でもなく、過去の国際性と日本的感覚のあいだにあることを知ると、民族音楽というラベルの見え方がガラッと変わります。 音楽の聴き方や、自分がどこに立っているのかをいったん整理したい人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
近代化=西洋化から、近代化=国粋化への転換点で、ひずむ音に狂わせられる人々を、私たちは笑うことができるのか?
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