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音楽入門 (角川ソフィア文庫)

音楽入門 (角川ソフィア文庫)

伊福部 昭

KADOKAWA / 2016-06-18

累計読者数3
平均ハイライト数 34.3件/人
推定読了時間 約2時間10分
star総合評価 69/100
menu_book精読型
check_circle推定完走率 36%

この本について

音楽を聴くとき、つい「雰囲気」や「連想」で受け取ってしまって、本当のところ何を感じたらいいのか分からなくなることがあります。難しそうな現代音楽は特にそうで、理解できない自分が悪いのか、と妙に落ち込むこともあります。でも、じつは“分からなさ”の正体って、知識よりも、音のどこに耳を置くかが定まっていないだけなんですよね。 伊福部昭の『音楽入門』は、その耳の置き場を静かに整えてくれる本でした。律動・旋律・和音という三つの要素を、作品から切り離して一度バラで聴いてみるという提案は、自分の中の「音楽をどう味わうか」を初期設定から見直す感覚に近いです。連想で作品を解釈しようとすると、いつの間にか音楽そのものから遠ざかってしまう、という指摘にもけっこうドキッとしました。純粋に音の“直接の印象”に戻るだけで、難しいと思っていたジャンルが急に開ける感じがあります。 もうひとつ大きかったのは、音楽の背景にある価値観の揺れを知れたこと。宗教音楽では律動が抑えられたとか、近代で音楽がハイ・ブロウとロウ・ブロウに分かれミドルが消えたとか、そういう話が入ってくると、自分の好みもある時代の流れの中にあるんだと分かって、変に卑下せずにすみます。 音楽を「理解しなきゃ」と力んでしまう人や、現代音楽に苦手意識がある人には、とくにしっくりくると思います。音を聴くときの姿勢を、無理なく、でも確実に変えてくれる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

真の美しさを発見するためには、教養と呼ばれるものを否定する位の心がまえが必要です——。土俗的なアイヌ音楽に影響を受け、日本に根ざす作品世界を独学で追求した作曲家、伊福部昭。語りかけるように綴られた音楽芸術への招待は、聴覚は最も原始的な感覚であり、本能を揺さぶるリズムにこそ本質があるとする独自の音楽観に貫かれている。「ゴジラ」など映画音楽の創作の裏側を語った貴重なインタビューも収録。(解説・鷺巣詩郎) [目次] 序 はしがき 第一章 音楽はどのようにして生まれたか 第二章 音楽と連想 第三章 音楽の素材と表現 第四章 音楽は音楽以外の何ものも表現しない 第五章 音楽における条件反射 第六章 純粋音楽と効用音楽 第七章 音楽における形式 第八章 音楽観の歴史 第九章 現代音楽における諸潮流 第十章 現代生活と音楽 第十一章 音楽における民族性 あとがき 一九八五年改訂版(現代文化振興会)の叙 二〇〇三年新装版(全音楽譜出版)の跋 インタビュー(一九七五年) 解説 鷺巣詩郎
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