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アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

伊坂 幸太郎

東京創元社 / 2006-12

累計読者数22
平均ハイライト数 6.9件/人
推定読了時間 約4時間56分
star総合評価 55/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 43%

この本について

人と話していて、「相手の表情の裏にある気配」だけ妙に気になってしまうことってありませんか。なぜか胸の奥がざわっとして、理由は説明できないのに空気だけが重たくなる。日常の中でそういう瞬間に出くわすと、自分の感覚を信じていいのか迷うんですよね。 伊坂幸太郎の『アヒルと鴨のコインロッカー』を読むと、その“説明できない違和感”が物語の形を持って立ち上がってきます。読者が保存していた「肯定するトーンで答え」「神妙な顔でうなずい」という描写は、会話のわずかな温度差が未来の展開につながっていく感覚に触れているんだと思いますし、「土を踏んだ感触が気色悪く」「町全体が湿っているように見えた」という一瞬の手触りも、心の奥にひっかかる微細な予兆として効いてきます。この作品は、そうした“違和感の積み重ねが世界を反転させる”という体験を、読者に丁寧に渡してくれます。 物語としてのミステリの楽しさはもちろんありますが、それ以上に、自分が日々感じている小さなざらつきや不安を「なかったことにしなくていい」と思わせてくれるのがこの本の強さだと感じました。些細な空気の変化に敏感な人ほど刺さるはずです。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

大学入学のため引っ越してきたアパートで、最初に出会ったのは黒猫、次が悪魔めいた長身の青年。初対面だというのに、彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ちかけてきた。標的は――たった一冊の広辞苑。僕は訪問販売の口車に乗せられ、危うく数十万円の教材を買いそうになった実績を持っているが、書店強盗は訪問販売とは訳が違う。しかし決行の夜、あろうことか僕はモデルガンを持って、書店の裏口に立ってしまったのだ! 四散した断片が描き出す物語の全体像とは? 注目の気鋭による清冽な傑作。第25回吉川英治文学新人賞受賞作。
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