
月光ゲーム 江神シリーズ (創元推理文庫)
有栖川 有栖
累計読者数7
平均ハイライト数 3件/人
star総合評価 43/100
boltライト読書型
check_circle推定完走率 36%
この本について
朝起きた瞬間に、なぜか「今日は嫌なことが起きそうだな」と感じる日ってありませんか。根拠はないのに当たってしまうあの予感とか、理由もなく気持ちがざわつく時間とか。大人になるほど、そういう説明しづらい感覚を自分の中で処理しきれずに放置してしまうことが増える気がします。 『月光ゲーム』を読んでいて思ったのは、物語そのもののトリックよりも、登場人物たちがそうした“言葉にしづらい揺らぎ”を抱えながら動いているところに共感してしまう読者が多いんだろうな、ということでした。月光に肌を焼かれるという幻想めいた感覚や、何かが“起こりそうだ”と察してしまう主人公の予兆、誰かが消えた後に残る空白の重さ。こういう小さな違和感の積み重ねが、物語の雰囲気と一緒に、読む側の心にも静かに触れてくるんですよね。 加えて、この作品は人間関係の距離感が丁寧で、兄の面影を誰かに重ねてしまう弱さや、仲間の癖を見抜きながらもどこか突き放せない感じなど、ミステリでありながら人間を見る目が温かい。事件の構造をきれいに解いていく江神シリーズらしさも健在で、「情報が伝わらない理由」をきちんと整理してくれるあたりは、混乱した気持ちを一度ほどくような感覚があります。 物語に没入したいけれど、現実の自分の気配をどこかに残したまま読みたい人に刺さる本です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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