
でぃすぺる (文春e-book)
今村 昌弘
文藝春秋 / 2023-09-21
累計読者数5
平均ハイライト数 5件/人
推定読了時間 約6時間14分
star総合評価 36/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 10%
この本について
最近、他人の気配や空気のざらつきに過敏になってしまうことがあります。言葉にできない違和感があるのに、その正体がつかめないまま過ごしてしまう。あとから「あれには理由があったんじゃないか」と思い返して、自分の勘の鈍さに落ち込んだりもします。 『でぃすぺる』を読んでいると、そういう日常のモヤモヤが少し整理される感覚がありました。登場人物たちが抱える「不自然さへの引っかかり」が、そのまま自分の感覚の棚卸しになっていくんです。耳鳴りの描写のように、身体が先に反応してしまう瞬間。大人に囲まれた世界で、学校だけがかろうじて安全地帯に思えるあの閉塞感。他者に心を配ることで、ようやく見えてくる“別の世界”。どれも大げさではなく、日常の中で自分も経験してきたことに近くて、妙に胸に残りました。 物語としてはミステリですが、単にトリックを追うだけではなく、「なぜ自分はこの違和感を見落としたのか」を一緒に考えさせられます。証拠よりも場の空気が真実をねじ曲げてしまう怖さや、リドルストーリーのように“決めつけずに余白を残すこと”の意味など、読後に自分の視点が静かに変わっていました。 曖昧な不安の正体をつかみたい人に刺さる一冊です。
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出版社による紹介
『屍人荘の殺人』の著者が仕掛ける ジュブナイル×オカルト×本格ミステリ 小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。 ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、“掲示係”に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。 優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。 マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。犯人はまだ捕まっていない。 捜査が進展しない中、サツキはマリ姉の遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つける。それは一見地元に伝わる怪談話を集めたもののようだったが、どれも微妙に変更が加えられている。しかも、『七不思議』のはずなのに六つしかない。 マリ姉がわざわざ『七不思議』を残したからには、そこに意味があるはず。 そう思ったサツキは掲示係になり『七不思議』の謎を解こうとする。ユースケはオカルト好きの観点から謎を推理するが、サツキはあくまで現実的にマリ姉の意図を察しようとする。その二人の推理を聞いて、三人目の掲示係であるミナが冷静にジャッジを下す……。 死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の“掲示係”が挑む小学校生活最後の謎。 こんな小学6年生でありたかった、という思いを掻き立てる傑作推理長編の誕生です。
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