
Creative Selection Apple 創造を生む力
ケン・コシエンダ and 二木 夢子
サンマーク出版 / 2019-03-15
この本について
仕事でアイデアが固まらないときや、議論ばかり増えて前に進んでいない感覚って、けっこうあると思います。自分も「考えてはいるのに、形にならない」という焦りばかり積もっていた時期がありました。そんなときに読んだのが『Creative Selection』で、アップルの開発現場の地に足のついたプロセスが、妙に現実的に刺さりました。 この本が効いたのは、まず「とにかく手を動かして具体化する」ことの意味づけが腹落ちしたからです。アップルですら、デモを作って、フィードバックを受けて、もう一度作り直すという地味な往復を延々と続けている。議論を減らすには、曖昧さを消す具体例をつくるしかない、という視点は、迷ったときの拠りどころになりました。もうひとつは、living on の姿勢です。机の上で考えるより、半端な試作品をあえて日常で使い続ける。その負荷が、思ってもみなかった「本当に困るポイント」や「戻した方がいい判断」を浮かび上がらせる。これを知ってから、自分の仕事でも試す回数だけは確実に増えました。 そして何より、「デザインとは、どう機能するかだ」という考え方が、装飾よりも“使えるものをつくる”という当たり前の基準を思い出させてくれます。かっこよさより、迷わせないこと。新しさより、使って幸せになれること。その地味な積み重ねが、結果として強いアウトプットにつながるんだと腑に落ちました。 華やかなひらめきより、試行錯誤の現場に価値を見いだしたい人には、特に刺さる一冊だと思います。
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