
この本について
仕事でも勉強でも、「分かりやすい説明」が正しいと思い込んでしまって、逆に何も頭に残らないことってありませんか。さっと読めるものだけ追いかけていると、自分の考える力がどんどん弱っている気がする…そんな焦りを抱えている人に、この本はじわっと効いてきます。 橋本治さんは、『学問のすゝめ』が“簡単に読める古典”ではなかったことを、当時の読み手の感覚から丁寧に教えてくれます。福沢諭吉は「読者が考えながら読む速度」に合わせて書いた。だから理解には時間がかかるし、何度も立ち止まる。その“面倒くささ”こそが、学問の本質なんだと気づかされます。そして「なんの役に立つのか」とすぐに答えを欲しがる癖そのものが、学ぶ態度を貧しくしているのかもしれない、とゆるく刺さります。 読むうちに、「分かりやすさ」よりも「自分の頭で考える準備をすること」が大事だったんだ、と少し見える景色が変わります。テキストの外側にある自分の感覚を使って読み解く。それができたとき、ようやく“実学”として自分の中に定着していく感じがあります。 手早い情報に疲れてしまった人、自分で考える力を取り戻したいと思っている人には、特に静かに刺さる本だと思います。
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