
この本について
仕事でも日常でも、目の前の出来事に理由をつけたくなる時ってありますよね。努力したのに報われなかった時はなおさらで、「結局、世界はどう動いているんだろう」と考えてしまう。そんなモヤモヤに向き合う時、視点をいったん人間の外に置いてみると、少し呼吸がしやすくなることがあります。 『科学する心』は、まさにそのための一冊でした。進化や宇宙、技術や歴史を行き来しながら、私たちが「こうあるはずだ」と思い込んでいる枠を静かに外していく。例えば、努力と運の関係を淡々と示すくだりや、人間が時間を後ろ向きにしか理解できないという比喩は、仕事で判断に迷う時の捉え方を変えてくれます。また、科学の話のはずなのに、ところどころで「ものを見るとはどういうことか」「意思とは何か」といった、人間らしさに関わる問いが立ち上がってくるのもおもしろいところです。 何かを解決してくれるというより、考え方の幅を少しだけ広げてくれる本です。特に、すぐ目の前の評価軸だけで自分を測ってしまう人や、世界の成り立ちをもう少し大きなスケールで見てみたい人には静かに効くと思います。
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