ヨムナビ
真昼のプリニウス (中公文庫)

真昼のプリニウス (中公文庫)

池澤夏樹

累計読者数3
平均ハイライト数 9.7件/人
star総合評価 45/100
menu_book精読型

この本について

仕事でも日常でも、言葉にしようとした瞬間に本質が遠のく感じってありますよね。説明すればするほど「ちょっと違う」になっていくあのもどかしさ。あるいは、選択肢を前にして悩みがぐるぐる循環して、どこにも着地しないまま時間だけが過ぎていくあの感覚。僕自身、そういう日に限って「もっと事実そのものを見られたらいいのに」と思ったりします。 『真昼のプリニウス』は、そんなモヤモヤを無理に解消してくれる本ではありません。ただ、火山研究という具体的すぎる世界から、言葉と実体の距離や、悩みの循環にどう折り合いをつけていくかが見えてくる瞬間があるんです。たとえば、言葉に寄りかかるほど実体が薄れるという感覚に対して、この本は「それでも人は言葉でしか時間の腐食に抗えない」という現実を静かに置いてくれますし、悩みの無限ループについては、易のように一度ぎゅっと凝縮して一点に閉じ込めるという別の考え方をそっと差し出してくれます。 そしてもう一つ、意味や効率に疲れたときに「ただ歩く」という行為そのものを肯定する描写が不思議と救いになるんです。未来を先回りして安心を確保しようとする癖に気づいている人には、ここが一番沁みるかもしれません。 頭の中が常にざわついている人、言葉に向き合う仕事や人生の局面が多い人には、特にゆっくり効いてくる一冊だと思います。

この本に似ている本

すべて見る arrow_right_alt

池澤夏樹の他の作品

すべて見る arrow_right_alt
library_books似た本をもっと見るmap書籍マップで探すroute読書パスガイドauto_awesomeAI診断で次の1冊を探す

読んだ内容を、もう忘れない。

BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。

無料ではじめる

クレジットカード不要