
ギリシャ語の時間
ハン・ガン、斎藤真理子
晶文社 / 20171011
累計読者数4
平均ハイライト数 4.3件/人
star総合評価 33/100
start序盤集中型
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この本について
日常の中で、言葉にうまく乗らない感情や、自分でも説明できない疲れのようなものがたまっていくことがあります。誰かと話してもすっきりしないし、言語化しようとすると逆に遠ざかってしまう。そんなとき、この本の抜粋を読んだ人が強く反応しているのは、「言葉の外側にいる自分」をそのまま描いてくれるところだと思います。 たとえば、言語が体から抜け落ちていくような描写や、沈黙の質が変わっていく感覚。これは、頑張って言語化するほど本音から遠ざかるあの感じにすごく近いです。また、視線だけが唯一の接触方法になるような繊細さや、自分の声が空間に広がることすら怖くなる場面は、人に説明できない不安を抱えているときの身の置き方そのものです。この本はその状態を矯正しようとはせず、「そういう時間も確かにある」と静かに示してくれます。 ギリシャ語を学ぶ人々のゆっくりした動きや内気さの描写も印象的で、世界が急ぎすぎていると感じたとき、自分の速度を取り戻す手がかりになります。言葉がうまく扱えない自分を責める必要はなくて、むしろそこにしか見えない景色があることを思い出させてくれる本でした。 言葉より感覚のほうが先に立ってしまうタイプの人に、静かに刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
ある日突然言葉を話せなくなった女。
すこしずつ視力を失っていく男。
女は失われた言葉を取り戻すため
古典ギリシャ語を習い始める。
ギリシャ語講師の男は
彼女の ”沈黙” に関心をよせていく。
ふたりの出会いと対話を通じて、
人間が失った本質とは何かを問いかける。
★『菜食主義者』でアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンの長編小説
★「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン
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