
ヴィトゲンシュタイン 世界が変わる言葉 〈エッセンシャル版〉
白取春彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2018-05-24
累計読者数14
平均ハイライト数 11.8件/人
推定読了時間 約4時間19分
star総合評価 44/100
start序盤集中型
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この本について
なんとなく「考えているつもり」で一日が終わってしまうことってありませんか。人間関係の行き違いも、仕事での説明のつたなさも、「自分の理解が足りないのか、それとも言葉にできないだけなのか」とモヤモヤしたまま過ぎていく。僕もそこから抜け出せずにいたとき、この本が少しだけ呼吸を整えてくれました。 白取春彦『ヴィトゲンシュタイン 世界が変わる言葉〈エッセンシャル版〉』は、悩みをごり押しで解決するようなタイプの本ではありません。むしろ、悩みの正体をほぐすための“道具としての言葉”の扱い方を静かに教えてくれます。たとえば、「問題は小さな問いの集まりだから、必ずどこかに入口がある」という視点は、途方に暮れていたタスクや人間関係を、いったん分解して見直すきっかけになりました。また、「相手について考えているつもりでも、それは自分の想像を眺めているだけ」という指摘は、思い込みで動いていた自分をそっと止めてくれました。さらに、「言葉が増えるほど世界が広がる」という一文は、説明がうまくいかない焦りを、訓練すれば広がる領域として捉え直させてくれます。 派手な答えをくれる本ではないけれど、考え方の足元がゆっくり整っていく感覚があります。自分の考えや感情をうまく扱えずに「何が問題なのかすら言葉にできない」と感じている人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
それまでの哲学をひっくり返した天才、ヴィトゲンシュタイン。 難解と言われる彼の文章に『超訳ニーチェの言葉』の白取春彦が挑み、 読者の視点を変え、人生と世界が新しく見えてくる鮮烈な言葉を誕生させた。 「きみがいいと思ったら、それでいい。誰かから何と言われようと、事実が変わるわけじゃない」 「きみ自身がきみの世界だ。きみの生き方で、きみの世界はいくらでもよくなっていく」 「内心や胸の奥の気持ちといったものがそれほど重要なのだろうか。 その人の表情や態度に表れているものよりも、本当に重要だと考えていいのだろうか」 ヴィトゲンシュタインとは ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタインは1889年4月に オーストリア・ハンガリー帝国の帝都ヴィーンに生まれた。 父カールの八番目の子、五人の兄弟と三人の姉妹の末っ子だった。 (中略) 兵士であった五年間も含めて六年越しで書かれた原稿は 1922年に独英対訳の単行本としてイギリスで出版された。 これが有名な『論理哲学論考』であり、ヴィトゲンシュタインの生前に刊行された ただ一冊の哲学書である。この薄い一冊が当時の哲学界に衝撃を与えた。 従来のほぼすべての哲学を真っ向から否定した書物だと思われたからである。 とはいっても、従来の哲学書のここかしこがまちがっていると指摘したのではない。 人間の論理的な思考と表現に用いる文章(命題)というものが いったい世界のどこまでを伝えうるものなのか、 どこまでしか伝えられないものなのかを論理の点から考察したのである。 ふつうの人々から見れば、『論理哲学論考』は数式の入った難しい 論理学の書物にしか見えない。しかし、ヴィトゲンシュタインは これを倫理と美学についての哲学書として書いた。 そのことは序文にもはっきりと記されている。 「この本は哲学の問題を扱い、これらの問題に問いを立てることが… 言語の論理の誤解に基づくことを示す。この本の全意義を次のような言葉にできるだろう。 “もともと言い表せることは明晰に言い表せる。 そして語りえないことについては人は沈黙する”」 (木村洋平訳) つまり、これまでの哲学は難解な問題を扱っていたのではなく、 言葉の使い方を誤っていたために、それら問題が難解なものになってしまっていた、というのである。 哲学が取り組みながらも解明できない問題は難しいのではなく、 そもそも言語で言い表せないものを言語で表現しようとするからなのだ。 言葉で言い表せないものはただ示すしかない。あるいは口をつぐみ、 音楽や絵だので別に表現するしかないというわけである。 (中略) 自分の影響についてヴィトゲンシュタインはこう書いている。 「私があたえることのできそうな影響はといえば、なによりもまず、 私に刺激されて、じつにたくさんのガラクタが書かれ、 もしかしたらそのガラクタが刺激となって、いいものが生まれることかもしれない。 いつも私に許されている希望は、このうえなく間接的な影響をあたえることだけなのだろう」 (ヴィトゲンシュタイン『反哲学的断章』丘沢静也訳)
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