
『青色本』を掘り崩す――ウィトゲンシュタインの誤診 (講談社学術文庫)
永井均
講談社 / 2018-02
累計読者数3
平均ハイライト数 21.3件/人
推定読了時間 約6時間13分
star総合評価 58/100
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この本について
ときどき、「自分の感じている世界って、本当にみんなと同じ形をしているんだろうか」と不意に不安になることがあります。仕事で意見がすれ違ったときや、人の痛みをどう扱えばいいのか迷うとき、頭では分かっているのに腑に落ちない感覚が残る。あれの正体をうまく言語化できずに、ずっと棚に置いたままにしてきました。 永井均『青色本を掘り崩す』は、その棚の奥にある“名前のつけられない違和感”を、いきなり解決するというより、どこでひっかかっていたのかを丁寧に示してくれる本でした。ウィトゲンシュタインを材料にしながら、独我論や他人の心といった抽象的テーマを、実際の言語の使われ方に戻して考え直してくれるので、「哲学ってこうやって読むのか」と肩の力が抜けます。特に、他人の痛みをどうやって“実在するもの”として扱っているのか、実は社会契約にすぎないという視点は、職場でのコミュニケーションのつまずきにそのままつながってきます。また、「言語そのものが閉じ込められた感じを生む」という指摘は、自分の悩みの根っこが性格ではなく構造にあるのかもしれない、と思わせてくれました。 大きな世界観を提示する本ではありませんが、考える手つきを学びたい人にはすごく効く本です。自分のモヤモヤの“位置”を知りたい人に刺さる一冊だと思います。
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出版社による紹介
「私は他者の痛みを感じることはできないか」―この有名な問題を皮切りに、著者がウィトゲンシュタインと切り結ぶ魅惑の哲学!
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