
ニコマコス倫理学(上) (光文社古典新訳文庫)
アリストテレス, 渡辺 邦夫, and 立花 幸司
NHK出版 / 2015-12-20
この本について
仕事でも生活でも「分かってるけど動けない」「言われたことを聞いてるだけで、結局何も変わっていない気がする」というモヤモヤってありますよね。知識は増えているのに、実感のある変化に結びつかないあの感じです。抜粋を見ていると、この本に惹かれた方はまさにそのギャップに敏感なんだと思います。「医者の言うことを聞くだけで行動していない患者」という一言にドキッとするのも、その証拠だと思いました。 『ニコマコス倫理学』は古典ですが、読み始めると意外なほど“実生活に落とし込む前提”で書かれています。たとえば「幸福は一瞬の感情ではなく、人生を通して行為として積みあげていくもの」という視点は、目先の成果や気分に振り回されがちな自分を一度フラットに戻してくれます。また「副次的なものが本来の仕事を上回らないように」という言葉は、日々のタスクに追われて本当に大事なことがぼやけた時の軸として効きます。そして「真理のためなら馴染みある考えも捨てていい」という姿勢は、思い込みに縛られて動けなくなる時のブレーキを外してくれる感覚があります。 古代の本とはいえ、読者自身の経験を通して理解する前提で書かれているので、難解さよりも手触りのある“問い”が残ります。行為に迷いがちな人ほど静かに効いてくる本です。こんな人に刺さると思います――知識よりも、自分の行動の質を見直したい人。
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