
日本エロ本全史
安田理央
太田出版 / 2019-07-14
この本について
仕事や生活に追われていると、「自分が何に影響を受けてきたのか」を考える余裕がなくなることがあります。気づけばただ流れに飲まれていて、昔は大事にしていた好奇心やワクワクした感覚がどこかに置き去りになっているような、あの感じです。僕も同じで、ふと振り返ると、自分の中の価値観や感覚って、案外“周りの文化”に育てられてきたんだよな…と思う瞬間があります。 『日本エロ本全史』は、まさにその「背景の文化」を具体的に思い出させてくれる本でした。読者の方が保存していた抜粋を見ると、創刊・休刊の連続や、DVDの廉価競争、無修正の登場、裏本の消滅など、メディアの盛衰の細かな変化に心が動いている感じが伝わります。単なる“エロ本の歴史”ではなく、雑誌の値段が下がった理由とか、どの出版社がどこに移ったのかとか、現場の人たちがどう生き延びようとしたのかとか、産業の呼吸音のようなものが全部入っているんですよね。そこに時代の空気が詰まっていて、自分が過ごしてきた時間の裏側を見せられるような感覚になります。 僕にとっては、何かを作る仕事をしていると避けられない「なぜ、あのジャンルは消えて、あの雑誌は残ったのか?」という問いのヒントにもなりました。文化って勝手に続くものじゃなくて、人とお金と偶然が綱渡りのように積み重なって残していくものなんだと実感できます。 昔の雑誌文化の熱や、何かが生まれて消えていく過程に興味がある人には、かなり刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
読書の順序
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