
巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか
安田理央
累計読者数7
平均ハイライト数 24.4件/人
star総合評価 66/100
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この本について
「美意識って、どこまで自分の感覚で、どこから社会に刷り込まれたものなんだろう…」 こういうモヤモヤ、誰でも一度は立ち止まる気がします。自分が“普通”だと思ってきた価値観が、実は時代や文化の事情でコロコロ変わるものだったと知ると、急に身につけてきた思い込みが揺れるというか。 『巨乳の誕生』は、まさにその揺らぎの正体を歴史と文化の流れから丁寧に拾っていく本でした。読んでいて特に効いたのは、まず「胸」という一部位がいかに社会の都合で意味づけられ続けてきたかが、驚くほど具体的に示されるところです。アメリカでのグラマー礼賛からスレンダー志向への転換、日本では裸が“性的”と見なされ始めた明治のねじれた事情、江戸では乳房そのものより衣服や文脈が性的刺激になっていたこと——こういう細かいディテールが積み重なることで、自分が無意識に引きずっている基準の正体が少しずつほどけていきます。 もうひとつ印象的だったのは、「胸」というテーマを扱っているのに、決して一方向の価値観にまとめようとしない姿勢です。文化によって美意識はまるで逆になるし、時代が変われば“当たり前”がひっくり返る。その揺れ方を知ることで、今の自分も「こうじゃなきゃ」と力まずに済む感じがありました。 自分の身体や他人の身体をめぐる価値観に、どこか窮屈さを抱えている人ほど刺さる一冊です。歴史の話なのに、読み終わると妙に心が軽くなる本でした。
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