
ヴァギナ 女性器の文化史 (河出文庫)
キャサリン・ブラックリッジ and 藤田真利子
河出書房新社 / 2011-02-08
この本について
ときどき、自分の体にまつわる価値観って、どこまでが自分の実感で、どこからが文化や歴史に刷り込まれたものなのか分からなくなることがあります。性に関する話題ほど、人前では語りにくいのに、内側ではずっとモヤモヤが残るんですよね。 『ヴァギナ 女性器の文化史』を読んで感じたのは、「いま自分が抱えている感覚の背景には、思っている以上に長い歴史と文脈がある」ということでした。西洋では“地獄の門”と恐れられ、インドや中国では生命の源として崇拝される。この両極端を並べてみるだけで、性に対する評価がどれだけ恣意的に形づくられてきたかが見えてきます。また、古代の女性たちが戦の場面で生殖器を晒して男たちを奮い立たせたという逸話のように、身体が単なる「部位」ではなく、時に政治や共同体を動かす力として扱われてきたことも印象的でした。 こういう歴史を知ると、自分のなかの「恥ずかしさ」や「言いにくさ」も、個人だけの問題じゃなくて、積み重ねられた文化の結果なんだなと少し距離を置けます。東洋で宝石や鉱物にたとえて呼ばれてきたことを知ると、これまで無意識に当たり前だと思っていたイメージが、ほんの少し揺らいでくる人もいるはずです。 性や身体について、自分の感覚の“土台”を見直したい人に刺さる一冊だと思います。こちらが勝手に前向きにさせられるというより、静かに視点が増えていくタイプの本です。自分の迷いを抱えたまま読んでも大丈夫な本です。
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ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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